少し前に、開業をされてまだ数ヶ月という同業者の方とお話しをさせていただきました。
前職の事務所から、何件か顧問先を引っ張ってこられたとのこと、それだけでなく、新規顧客の獲得にも精力的に頑張っておられました。
ただ、値段的には少し安めの設定をされてるとのことで、その分、沢山の仕事をひとりでなんとか回しておられる印象を受けました。
開業されて間もない頃の張り切る気持、そして不安な気持をかき消すがごとく、安い仕事でも昼夜問わず邁進したくなる気持は、わたしにも分ります。
ただ、ひとり開業、ともなれば、いわゆる、税理士業の他にも営業や自身の経理、請求書の発行などの事務作業も全部こなさなければなりません。
心配になったので、
「大変ですね。しんどくないですか?」
と聞いて見ました。
すると、
「勤務の時は超絶ブラック事務所やったから、これくらい全然平気ですよ。」
との回答が…。
なるほど、勤務時代の激務に鍛えられ、免疫ができておられるということか。
この同業者の方とは、また、別の同業者の方からも、同じようなセリフを聞いたことがあります。
その方も少し安いめの報酬でお仕事を引き受けておられるようでしたが、
「元々がすごい安月給。それに比べればマシ。」
と仰ってました。
なるほど。
しかし、かくいう、わたしも人のことは言えません。
現在も、報酬はそんなに高くない(相場は分らないですが、多分…)と思っておりますが、独立当初は、ありえないレベルの安い値付けをした痛い経験があります。
先月の士業飲み会で笑い話にしましたが、同じような経験をされてる士業の方も結構多かったです。
値付けって本当に難しい・・。
わたしの場合は、ゼロスタートだったこともあり、仕事が無い『飢餓状態』を脱したくて、お金よりも経験と実績を取りたい部分がありました。
ただ、貯金がみるみる減っていくので、1年目を終えるころ、「これじゃ、いかん」と思い直しましたが…!
冒頭にお話ししました同業者の方々も同じような理由なのか、わかりませんが、いずれにせよ、ブラックな環境や安い値段で仕事を引き受けることについて、
「雇われ時代で慣れてるから、大丈夫!」という理由であることは少しもったいないと思いました。
税理士の方々は、何年もかけて、過酷な税理士試験に挑んでこられ、税理士になっています。
理不尽な環境で働きながらや、家事や育児と両立させながら、何年も何年もすごく努力して、沢山の葛藤と戦って。
だからわたしもそうなんですが、根性や忍耐力がある人が多いと思います。
それはそれで素晴らしいことですが、雇われ時代のブラックを引き継ぐのではなく、少しづつ、ブラックに耐性のある自分を解放し、その分の努力を別の方向に向けることができればもっと素晴らしいと思います。
わたし自身も、ブラックにひたすら堪え忍ぶのではなく、自分の安売りはしないよう少しづつ変わってきました。結構、大変ではありましたが。
せっかく独立したのに、
「こんなハズじゃなかった。」
「税理士なんてやってらんない。」
と嘆くのはもったいないですよ。
全ての主導権は、代表のあなたにあります。
少しづつ、雇われ時代の呪縛から解き放たれてゆきましょう。
☆★☆ 編集後記 ☆★☆
先日、独立3周年を迎えました。
これまでお世話になった皆様に感謝の気持でいっぱいです。
初心や謙虚さを忘れず、今後も頑張って参ります。
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